杏庵の歳時記 立冬(其の3)
2016/11/17
第五十七侯 金盞香(きんせんかさく)
「きんせんか」とありますが、春に車輪のように円い花をつけるキク科の金盞花(きんせんか)ではありません。冬の花でも香り高いことで人気のある水仙をさします。
この別称の由来は、昔中国で水仙の花の黄色いところを黄金の盃(金盞)に、周りを囲む白い花弁を銀の台(銀台)に例えて「金盞銀台」と呼び習わしたことによるそうです。日本ではお正月の花としても喜ばれる水仙。吉祥の気分が感じられる別称も、あわせて覚えておきたいものです。
旬の果物は柿(かき)
秋の深まりとともに、空気の感想が気になってくる頃。秋に食べ頃になる柿は、肺を潤して、乾燥による咳や喉の渇きを癒す作用があります。ビタミンCも豊富に含まれているので、風邪の予防にもいいでしょう。
身体を冷やす作用が強く、発熱による下痢や口内炎を緩和。酒のアルコールを分解したり、水分の代謝を促したりする作用もあるので、酔い冷ましや二日酔いの解消にも効果的です。
めちゃくちゃ柿が好きな方はシナモンやクローブなどのスパイス和えにして身体を冷やす効果を和らげましょう。