杏庵の歳時記 小寒(其の3)
2017/01/15
第六十九候 雉始雊(きじはじめてなく)
雉は日本の国鳥。その羽毛の美しさが尊ばれ、食用にも重宝されてきました。特に白い雉は祥瑞(しょうずい)として、これが献上されたことによって、年号が変えたほど、意義を有していました。
雉は「ケーン、ケーン」という甲高い声も特徴で、特に地震を予知して鋭く鳴くと言われることから、古くからその挙動が注目されました。また、雄が雌への求愛のしるしとして頻繁に鳴き声を上げ始めるのは、まさに春に向かおうとするこの時期から、とされています。
ちょっと気になったので祥瑞が献上されることで年号が変わる祥瑞改元(しょうずいかいげん)について調べてみました。
元号 | 読み | 天皇 | 改元日 | 年数 |
白雉 | はくち | 孝徳天皇 | 650年2月15日 | 6年間 |
慶雲 | けいうん | 文武天皇 | 704年5月10日 | 5年間 |
霊亀 | れいき | 元正天皇 | 715年9月2日 | 3年間 |
養老 | ようろう | 元正天皇 | 717年11月17日 | 8年間 |
天平 | てんぴょう | 聖武天皇 | 729年8月5日 | 21年間 |
天平宝字 | てんぴょうほうじ | 孝謙天皇 | 757年8月18日 | 9年間 |
神護景曇 | じんごけいうん | 称徳天皇 | 767月8月16日 | 4年間 |
宝亀 | ほうき | 光仁天皇 | 770年10月1日 | 11年間 |
天応 | てんのう | 光仁天皇 | 781年1月1日 | 2年間 |
嘉祥 | かしょう | 仁明天皇 | 848年6月13日 | 4年間 |
仁寿 | にんじゅ | 文徳天皇 | 851年4月28日 | 4年間 |
斉衡 | さいこう | 文徳天皇 | 854年11月30日 | 4年間 |
天安 | てんあん | 文徳天皇 | 857年2月21日 | 3年間 |
白い雉を献上されて改元した最初の人は大化改新の時の第三十六代天皇 孝徳天皇のようですね。元号名もそのまま白雉。
その後第五十五代天皇 文徳天皇までの9代13回にわたって祥瑞改元があったみたいです。さすが国鳥。